大勢の観光客で賑わう富士河口湖エリアの中心部を抜け、戸建住宅が徐々に建ち並び始めた新しい住宅地に般若(はんにゃ)邸を訪れた。

「主人はもっと森の中に家を建てたかったようなのですが(笑)、生活の利便性も考えて今の場所を選びました」。

端正なデザインにご主人のDIYによる塀や庭の造作が程よい温もり感を加えている

端正なデザインにご主人のDIYによる塀や庭の造作が程よい温もり感を加えている。

設計に際しては「キッチンに立つ時間が長いこともあり、家事のしやすさに加え、家族がどこにいてもキッチンから様子が分かるような間取り・動線を重視しました」。

そのリクエスト通り、室内も庭も広く見渡せ、家族がどこにいてもコミュニケーションを取りやすい理想の住まいが完成した。

キッチンから常に家族の気配を感じられることを大切に設計を進めた

キッチンから常に家族の気配を感じられることを大切に設計を進めた

キッチンの設備は奥様の希望でガスコンロを導入した。
「もともと料理が好きということもありますが、東日本大震災で電気と水が止まった時にLPガスは使えて食事を作ることができた経験から、家を建てる際には、エネルギー分散にも有効なLPガスを絶対に導入しようと考えていました」と、その理由を語ってくれた。

ガスコンロは強い火力で料理できるのが特徴だが、般若邸では特にガスで炊いたお米のおいしさに魅力を感じている。
「実家がお米を作っていることもあり、無農薬のお米を送ってもらっているのですが、ガスだとお米が艶やかでふっくらと炊けるので、以前はご飯に必ずふりかけをかけていた子供も、今ではご飯をそのまま食べるようになり、とても助かっています」

お食事

お気に入りのキッチンで毎日の料理を楽しんで
いる般若さん。
採れたての新鮮な食材を活かしたメニュー、
おいしいご飯に合う和食など、レパートリーも
広がる

料理好きの般若さんはグリルもフル活用している。
「お肉や焼き魚だけでなく、実はトーストもおいしく焼けるのが気に入っています。あとは庭で栽培した採れたての野菜をシンプルにグリルすることも多いです」。
お子様同士の誕生パーティや実家のご両親・親戚の集まりなど、日常的な来客も多い般若邸では、ガスコンロとグリル、電子レンジが同時に使えるメリットは大きいと実感している。

般若邸では、暖房設備として薪ストーブを導入している。
河口湖周辺は山に囲まれているので薪も入手しやすく、
庭には燃料にするために乾燥中の薪が山積みになっている。
「主人の憧れだったのと、私も炎を見るのが好きだったので
最初から計画しました。寒い冬には朝晩二回、春先や秋は
朝に一度火を点ければ夜までじんわり優しい温かさが
続きます」。
一方、夏は住まいの中心に設けた吹き抜けを風が通り抜ける
ため、ほとんどエアコンを使うことなく快適に過ごせるという。

冬は薪ストーブが活躍

冬は薪ストーブが活躍。でも足元が少し寒く感じる
日もあるので床暖房も欲しいと奥様

家内

ガスの交換・メンテナンスについても話を伺った。
「こちらから連絡しなくても、LPガス事業者の方がガスの使用状況に合わせて定期的に容器を交換に来てくれるので、ガスの残量を気にする必要もなく、不便に感じたり面倒に思ったことはないです」。

住み心地にも大満足

建築家と一緒に理想の住まいを実現した般若さん。デザインや使いやすい間取りはもちろん、部屋を飾るアンティークの小物やドライフラワーなど好きなものに囲まれ、住み心地にも大満足しているが、「最近家を新築した友人から、ガス乾燥機は梅雨時にも洗濯物がすぐに乾くからとても便利だよ、という話を聞いて、やっぱり導入したくなりました」と、笑いながら話してくれた。